2015年06月29日

No716 5年前の京王電車A 平成22年6月



当ブログ、「京王線 井の頭線 応援歌」は、2009(平成21)年4月にスタートしました。
ことし4月には満6年を経過し、現在は足掛け7年目に入りました。
そこでこれまでの記事を再構成し、新たに『5年前の京王電車』と題し、先月より新シリーズを始めました。

毎月1回、当月の5年前を振り返り、当時の回顧とともに、現在の視点も加えます。
振り返り期間を「5年前の当月」としたことについては特段の深い意味はなく、一つの大きな区切りの期間として考えました。
今回は第2回目で、平成22年6月分をご覧いただきます。

【平成22年6月】
151-1 ポスター.JPG

5年前の6月、ご覧のイラストが駅構内を飾っていたことを、覚えていらっしゃいますでしょうか。
5000系と3000系です。なんとも微笑ましく、ほのぼのとした感じが伝わってきました。

京王の電車が、引退後も廃車することなく全国各地、一畑電車や伊予鉄道等で活躍し、資源の有効活用に一役買っていることを伝える京王の企業ポスターシリーズに描かれていたイラストの一部分です。

当時、京王の省エネを謳うポスターのイラストには度々車両が紹介されていましたが、この作品は車両の脇にいる係員の車両を見る眼差しがとても優しく、そして長年京王で働いた車両を慈しむ感じがひしひしと伝わってくるように描かれていて、特に印象的でした。

私ごとですが、このイラストを私はPCのデスクトップ画面で使用させていただいています。ある時喫茶店でPCを立ち上げた際、隣のお客さんからPCをググッと覗きこまれた時があります。もしかしたらその方は、京王ファンの方だったのかもしれませんね(笑)。

さて現在、京王のホームページには過去分も含めたポスターギャラリーがありますが、残念ながら2012年度分からとなっており、今日、このポスターの全貌を見ることが出来ません。


続いては、夢物語と化した“9000系2両編成”のお話です。

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   ▽ 経営計画を報じる「京王ニュース」22年6月号 ▽

1日発行された「京王ニュース」6月号は、「京王グループ中期5ヵ年経営計画(2010〜2014年度)や、2010年度経営計画重点施策を特集しました。
前月ホームページで公表された中期計画では、車両の新造計画については2009年度で終了とあり、僅かに2010年度重点施策で7000系18両のVVVF化整備が記されているのみでした。
つまり、向こう5年間、少なくとも2014年度までは車両の新造は無いと判断できる内容でした。


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  ▽ 「京王ニュース」22年6月号の特集記事内容 ▽

そこで再度、「京王ニュース」6月号の発行を待って、特集記事の内容に注目したのですが、残念ながら「京王ニュース」にも新車投入の文字は見当たりませんでした。つまり、当時進められていた6000系の廃車が完了しても、9000系の増備は無いということがこれで事実上確定したことになります。

当時の当ブログでは、『先に6000系は2010年度に全廃とホームページで公表していますので、現在残っている6022F、6411F、6412F、6416F、6417F、6017Fの合計20両の廃車が出ても、現行車両でやりくりするということでしょうか。純粋増備の形で、9000系2両編成の新造を期待していたのですが、ちょっぴり残念ですね』と心境を綴っています。

それというのも8両編成の9000系1次〜5次車の9001F〜9008Fについては、当面都営新宿線への乗り入れは想定しない方針で新造されたものの、2連との併結運転で貫通路を構成できるよう、下り方クハ9750形式については増結した場合に運転室を完全に仕切れる構造で新製されていたためです。(注1)

つまり当時の京王線の10両編成は、9000系8両+6000系2両の編成が多い日には1日3本も運転されていましたので、もしかしたら運転室完全仕切りの機能を活用し、6000系2両編成の代替として9000系の2両編成が新造さる可能性もあるのではないかと、かすかに期待をしていたのです。

しかし実際は、当時 "ブラ勤" だった7000系2両編成で用が足りてしまったわけです。また後年、7000系の編成組み替えで多くの10両固定編成や6+4の10両編成が登場したことは、皆さまご存知の通りです。

あとで振り返れば、『なんだぁ…、結局こういうことだったのか…』などとなるのですが、当時は(京王の当事者でも何でもないのに)、あれこれと車両の運用シミュレーションを考えたりして、熱くなっていました。趣味の世界の、醍醐味でもありますが…。


最後は、車内に新登場した非常時対応の「案内サイン」です。

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 ▽ 車内に新登場した「非常装置案内」表示 22.6 ▽

京王線、井の頭線の各車両に、中旬からご覧のような「非常装置のご案内」と表示された案内シールが、窓支柱のデコラ板部分に掲出されました。

当時のブログでは、「最近、車内での乗客同士のトラブルが多いと再三に渡り注意の車内放送があることを思うと、こうした周知が必要な時代ということでしょうか。」と所感を述べています。

登場当時は、明るい京王電車の車内ではやや違和感を感じた記憶がありますが、現在ではもはや必須のサインとして定着していますね。


[注1]
 鉄道ピクトリアル 通巻734 京王電鉄特集
  藤田 吾郎「車両プロフィール」P225
   鉄道ピクトリアル 通巻893 京王電鉄特集
  藤田 吾郎「車両プロフィール」P250

[ご参考 当時のブログ記事]

posted by 特急高尾号 at 19:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 5年前の京王電車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月24日

No715 "つつじヶ丘" 何とも言えぬこの曲線


鉄道ファンにとって「方向幕」は、幾つになっても魅力的な存在であり続けますね。
子どもや学生時代に特別な行先や珍しい仕様の方向幕と対面し、いたく興奮・感動した経験は、誰にも覚えがあることだと思います。

715-1 れーるランド つつじヶ丘方向幕 27.6.23.jpg

さてその方向幕ですが、何か変わったことはないかと先日、久しぶりに京王れーるランドを"偵察"してみると、5000系と2010系、6000系の方向幕に「つつじヶ丘」の行先が掲出されていました。

715-2 れーるランド つつじヶ丘方向幕 27.6.23.jpg

「つつじヶ丘」−。いいですねぇ。
本数がさほど多くはなく、朝夕に集中していましたから、あまり対面する機会もありませんでした。

野外展示の5723号の、「つつじヶ丘」行きの方向幕です。
何とも美しい顔かたち、そして方向幕です。優しい色のアイボリーホワイトに薄い緑色のコンビネーションは、ピッタリの相性でした。

715-3 れーるランド つつじヶ丘方向幕 27.6.23.jpg

「つつじヶ丘」の文字を囲むこの曲線が、また何とも言えない魅力でした。
「府中競馬正門前」行き方向幕の馬蹄形デザインとも似ていますが、色使いからして似て非なるものです。

715-4 れーるランド つつじヶ丘方向幕 27.6.23.jpg

こちらは2015号の「つつじヶ丘」行きです。
車体と方向幕のグリーン、緑色が一体化して、独特の雰囲気を醸し出しています。

715-5 れーるランド つつじヶ丘方向幕 27.6.23.jpg

この存在感−。そして方向幕の生地の撓み、皺も魅力です。
よく見ると、つつじヶ丘の「つつ」の字と楕円のカーブが共鳴し、また「じ」の字の逆カーブがアンバランスさも感じさせ、全体として印象深いデザインとして記憶に残っています。

いまこうして直近で眺めてみると、改めてなかなか味のあるデザインであったと再認識します。

715-6 れーるランド つつじヶ丘方向幕 27.6.23.jpg

れーるランドの野外展示車の方向幕は、イベントや季節により時々に行先が代えられています。

係りの方によると、「親子連れだけでなく、わざわざ訪れてくれる大人の鉄道・京王ファンの方々にも楽しんで頂けるよう、適宜方向幕を代えたり、ヘッドマークを取り付けたりして創意工夫をしている」とのことでした。

因みに掲出されるヘッドマークは、「レプリカではなく実際に使用されていた本物を掲出している」とのことでした。
係りの方々の心意気とサービス精神に触れ、嬉しく思いました。

撮影は、平成27年6月23日です。

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2015年06月20日

No714 5年前の京王電車@ 平成22年5月


当ブログ、「京王線 井の頭線 応援歌」は、2009(平成21)年4月にスタートしました。
おかげ様でことし4月には満6年を経過し、現在は足掛け7年目に入りました。記事の通算ナンバーも「700」を数えるに至りました。
そこでこれまでの記事を再構成し、新たに『5年前の京王電車』と題し、新シリーズを始めます。

毎月1回、当月の5年前を振り返り、当時の回顧とともに、現在からの視点も加えます。
シリーズは2010(平成22)年5月分からスタートし、月内に6月分もアップします。

【平成22年5月】
この年5月、京王ファンの連休は大忙しでした。
まず1日、車内の「自動放送」が一部の7000系、9000系、合わせて16編成でスタート。英語放送も開始されました。

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  ▽ 映画RAILWAYSの「ラッピングカー」
                       9031F 9781号車 調布 22.5.2 ▽

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2日には月末に公開される映画RAILWAYSの「ラッピング電車」9031Fの運転が始まりました。
突然、京王電車にオレンジ色の一畑電車がラッピングされて登場したため、乗客にとってはびっくり仰天でした。
9031Fは当時からラッピング列車として登場する機会が多く、改めてそれだけをまとめてみても面白そうですね。

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連休期間中、聖蹟桜ヶ丘のショッピングセンター内では、映画「RAILWAYS」と連動した「せいせき鉄道ランド」展が開催されました。

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府中競馬場正門前駅で行われた映画の撮影光景や、運転士養成や車両の転出などで関係を積み重ねた京王と一畑電車との連携など、ファンならずとも楽しめる価値ある展示会でした。

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連休明けの7日には、昨年度まで続いた「京王グループ中期5ヵ年経営計画(2010〜2014年度)〜転換と強化〜」と題した中期計画、および「2010年度重点施策・業績予測」等が公表されました。

このうち「2010年度重点施策・業績予測」で、井の頭線のATC化について2011年度実施を目指すと、初めて公表されました。
これで3000系は、この時期までの命ということが明確となり、以後1年間、京王ファンの3000系詣でが活発化したことを懐かしく思い出します。

またホーム行先案内板の全駅設置の完成も謳われています。5年前、まだホームのLED行き先案内は全駅設置には至っていなかったことがわかります。


次は、6000系2両と9000系8両の混結編成のお話です。

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    ▽ 6411F+9001F       めじろ台  ▽

この時期、6000系の終焉が近づき、6000系残党の2両編成の運用がファンの高い関心を集めていました。
5月末には運良く6411F+9001Fの高尾準特急に遭遇し、当ブログでも「いつまで手を繋げていられるか…」とリポートしています。

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    ▽ 6861+9701         北野 22.5.22  ▽

この2形式の併結光景は、登場直後はなんとも奇妙な姿…と、多くの京王ファンは思ったことでした。しかし6000系終焉の最終盤に至っては、むしろ貴重な光景と映ったのですから、世の中の先行きは分からないものですね。


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   ▽ 6861+9701                    北野 22.5.22  ▽

鋼鉄製ボディーで全面塗装の6000系、ステンレスボディーにカラーシート貼り付けボディーの9000系−。
京王電車の昭和と平成時代のそれぞれの立役者−。明暗が迫りつつある最終の光景でした。

[ご参考 当時のブログ]


posted by 特急高尾号 at 22:53| Comment(2) | TrackBack(0) | 5年前の京王電車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月11日

No713 紫陽花HM ことしも1029F


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井の頭線東松原駅の夜間紫陽花ライトアップが10日から24日までの予定で始まりましたが、これに連動して紫陽花のヘッドマーク付き列車も例年通り運転されています。

713-1 紫陽花 1029F 東松原.jpg

ことしも"紫陽花HM列車"には、1029Fが充当されています。
昨年に続き、2年連続の登板です。

今回は東松原駅での撮影です。
ライトアップしている時間帯なら完璧なのですが、仕事を持っているとなかなかそうもいかず、難しいですね。
この時期は同好の方はもちろんのこと、一般の乗客の方も盛んに電車と紫陽花にカメラを向けている姿をよく目にします。

713-2 紫陽花 1029F 東松原.jpg

ところで1029Fの特別レインボーラッピングは、当初計画では平成25年12月で終了でした。これが延命され、今回も名誉なHM付き列車として運転されているわけですから、1029Fは"幸せもの"ですね。

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さらに延命が続くようでしたら、来春には"井の頭公園桜号"といったHMを新設し、土休日の急行列車で、井の頭公園駅臨時停車の運用に入れば、それこそファンだけでなく、「京王電車卓上カレンダー」の格好の被写体になりますね。

写真は平成27年6月11日 東松原駅・下北沢駅で撮影したものです。

posted by 特急高尾号 at 20:13| Comment(2) | TrackBack(0) | アラカルト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月07日

No712 井の頭沿線の紫陽花 いまが満開


712-1 明大前 27.6.7.jpg

明大前駅に進入する1000系電車です。
井の頭線の紫陽花が、いま満開の季節を迎えています。

ことしは5月の気温が高かったため例年になく草花の開化が早く、井の頭沿線の紫陽花も今が盛りと咲き誇っています。
ただしことしは例年になく雑草も多く、好撮影地の東松原−新代田−下北沢間の紫陽花は、残念ながら雑草の中に埋もれてしまっています。

712-2 東松原 27.6.7.jpg

東松原駅ホームでの紫陽花です。
恒例の夜間の紫陽花のライトアップですが、駅に尋ねてみると、ことしは開花が早いために今月10日からの予定を早める可能性があるとのことでした。
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沿線のあちらこちらでカメラを構える方々を見かけますが、ことしは雑草の被害が少ない明大前−東松原、西永福−浜田山あたりでの撮影がよさそうです。

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島式ホームの西永福駅、上りホーム側です。
この駅は上下線ホームの線路脇に紫陽花が植えられていて、電車の到着を待つ僅かな時間ですが、人々の目と心を和ませます。

712-5 浜田山 27.6.7.jpg

西永福駅下り側ホームです。
樹齢が若くまだ小ぶりですが、それだけに将来が楽しみな駅のひとつです。

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明大前駅上り方、京王線ガード下の跨線橋からの撮影です。
俯瞰ショットを様々な角度から撮影出来る、私のお気に入りのスポットです。

まもなく関東地方も梅雨入りしそうです。
時には平日早朝に繰り出し、井の頭沿線を"撮り鉄"するのもいいかもしれませんね。

写真は全て、6月7日の撮影です。

【補足】
本文中で、「ことしは例年になく雑草も多く、好撮影地の東松原−新代田−下北沢間の紫陽花は、残念ながら雑草の中に埋もれてしまっています。」としましたが、その後京王によって雑草は綺麗に刈り取られました。(6月20日)


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2015年06月04日

N0711 京王 2015(平成27)年度事業計画  鉄道部門を見る


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  ▽ 2015年度事業計画を伝える「京王ニュース」27年6月号


京王は先月、グループ企業全体の2015(平成27)年〜2017(平成29)年度の「中期3ヵ年経営計画」を公表しました。(注1)


そのうち鉄道部門に関する2015(平成27)年度分を中心とする事業計画内容が、「京王ニュース」276月号で公表されました。総予算は215億円規模とされています。

そこで京王電車ファンとして、気に掛かる幾つかの項目について述べてみたいと思います。


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【ダイヤ改定】

京王線のダイヤ改定を秋ごろ実施とし、その内容については「都心方面へのアクセス向上を目指します」と記されています。

次期ダイヤ改定のコンセプトを、京王が具体的に示した最初の内容です。


この場合の「都心方面」とは、常識的に考えれば山手線内の都心方面と考えられますので、この文章をふつうに解釈すれば、改定では京王新線経由都営新宿線直通方面のアクセス向上、つまり充実・強化が行われると考えられます。


では具体的に乗り入れ列車の種別・名称、設定時間、停車駅等をはじめ、現在は優等列車を中心に相模原線からの乗り入れが中心ですが、果たして京王線・高尾線関係にも変化が生じるのかなど、その運用形態に関心が高まります。


長期的にはリニア新幹線橋本対策を視野に入れながら、都心方面へのアクセス強化を都営交通と京王が共同で取り組むフェーズ1との見方も出来るかもしれません。


このほかファンの間では、特急続行運転に関する見直しが行われるのかどうか、行う場合は橋本特急のありようや都営線直通優等列車を相模原線から高尾線系統へ振り替えるのかなどの点について論議を呼んでいますが、そうした点については不明です。 


【車両のリニューアル】

井の頭線については2015(平成27)年からリニューアル工事に順次着手、車内の快適性を図るとしています。

またニュースやオリジナル番組などを放映する車両ビジョン(ドア上のモニター)や英語放送にも対応した自動放送装置を2019(平成31)年度までに、全車両に導入するとしています。


ただし車両ビジョンや自動放送だけであと4年も要するとは思えないため、「車内の快適性」=車内の内装、椅子等の全面入れ替え、ドア仕切りの設置など、車歴の古い1000系に対して8000系同様の大規模リニューアルを実施するということでしょうか。


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なお井の頭線の車内照明については、2015(平成27)年度中に、全車両での導入を完了させるとしています。


京王線については引き続き8000系のリニューアル工事を進めるほか、車いすスペースの増加など、バリアフリー化機能を充実させるとしています。


京王の車いす優先スペースは現状の10両編成の場合、設置数は25か所、設置場所もバラバラなため、既設座席の撤去等も含めて本格的な新設整備に取り組むのでしょうか。

車いす優先コーナーはベビーカー優先コーナーも兼ねるため、本腰を入れてのバリアフリー化対応が求められます。


【ホームドアの整備】

2015(平成27)年度は吉祥寺駅での使用を開始するとしています。

これで京王のホームドアは、新宿・調布・国領・布田、それに吉祥寺を加えて5駅となります。

すでに東京メトロ銀座線は2018(平成30)年までに、また京王線が乗り入れる都営新宿線、及び東急電鉄が東京五輪開催の2020(平成32)年までに全駅での設置を公表していますが、これまでに判明している京王のホームドア設置計画は新線新宿、渋谷、吉祥寺駅で検討という小規模なものです。今回はそのうちの吉祥寺駅での整備を公表したものです。(注2)


【その他】

継続実施中の笹塚−仙川間の連続立体交差事業については、工事着手に必要となる用地取得と設計業務の実施、対象箇所を拡大しての耐震補強工事の継続、さらにVVVFインバーター制御装置の更新、最新式への置き換えなどの計画が説明されています。


以上が京王ニュース6月号で判明した、2015(平成27)年度を中心とした鉄道事業計画です。

これらを見ると、京王線では秋のダイヤ改定が中心で、井の頭線では車内照明のLED化完了など、継続的に推進される車両リニューアルが柱と見ることが出来ます。


毎年「京王ニュース」6月号はその年度のグループ企業全体の事業計画の概要を特集していますが、今回は中期3ヶ年計画の初年度ということもあり、あくまでも一般利用客向けですが、鉄道部門に関して多くの情報が掲載されました。

こうした情報は全ての利用者にとって知るべき内容ですから、「京王ニュース」だけでなく、誰の目にも留まるようにホーム掲示ボードにも大型ポスターで掲出するなど、情報の露出度をさらに高めてもよいと思います。

利用客が真に求めているのは、高尾山関係の広報だけでなく、本来の鉄道に関するサービス向上や安全施策に関する事業計画や実施情報だと思います。




(注2)鉄道ピクトリアル 平成26年7月 京王特集増刊号
     「京王電鉄の鉄道事業を語る」(P22)
posted by 特急高尾号 at 22:05| Comment(8) | TrackBack(0) | 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月01日

No710 新宿−調布間 開通100周年記念券発売 "新宿駅の歴史"を歩く


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京王線の新宿(当時は新宿追分)−調布間の開通100周年を記念した記念券が31日、新宿駅で限定発売されました。1セット500円で5,000セットの販売です。


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記念券は昭和30年代と昭和50年代に発売された新宿駅の入場券を再現した2種類と、開業当時運行していた13形車両のイラストをあしらった新宿から240円区間の硬券乗車券1枚、さらに京王電気軌道開業記念乗車券を復刻したレプリカ券で構成されています。


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  ▽ 俯瞰写真は1961(昭和36)年の新宿地上駅全景
            右が甲州街道、左が新宿西口方向 ▽

台紙の中面には開通当時の新宿追分の様子や、昭和36年撮影の地上時代新宿駅の貴重な俯瞰写真もあり、目を釘付けにさせられます。

手前の短い屋根の部分が新宿駅で、現在の駅は地下化され、地上部分は京王デパートになっています。


ところで記念券のタイトルは、「京王線 新宿−調布間 開通100周年記念券」となっていますが、京王線の最初の開業区間は笹塚−調布(12.2km)で、1913(大正2)年415日です。

2013(平成25)年に「京王の電車・バス開業100周年」として、大々的に各種イベントが行われたことは、まだ記憶に新しいところです。


京王はその後、幾度の部分開業を積み重ねながら宿願の笹塚−新宿追分間の開通を目指し、ついに2年後の1915(大正4)年531(1)、当時の新宿の中心地、新宿追分に到達しました。既開業区間の笹塚−調布間も含め、これで新宿(新宿追分)−調布(16.1キロメートル)の開通となったものです。今回の「新宿−調布間 開通100周年記念」とは、そうした経緯を踏まえて迎えたものです。


平成10年に発刊された『京王電鉄50年史』(2)は、笹塚−新宿追分間の開通について、「市街化が進んだ笹塚以東の区間は、用地買収がはかどらず、少しずつ開業させて、2年後の大正4年5月31日に待望の新宿追分に達し、新宿〜調布間(16.1キロメートル)が結ばれた。当時の新宿追分は、甲州街道と青梅街道の分岐点で宿場の面影を多く残していた。京王電車の乗降場は、現在の伊勢丹の筋向い、明治通りの道路上にあり、まさに路面電車であった。」と述べています。

記念券にはこうした経緯を、もう少し付け加えてもよかったと思います。


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新宿追分駅開通時やその後の移転先、さらに戦後に現在の新宿西口へと移転した変遷図、さらに1915(大正4)年当時の駅名・路線図もあり、興味を掻き立てられます。

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記念券の図で示された当時の新宿追分駅の位置、現在の新宿3丁目付近です。

手前は現在の明治通りです。奥で人が横断している場所が新宿通りで、現在の「新宿3丁目交差点」です。正面の大きなビルは伊勢丹デパートです。


前々回の当ブログ708で記したように、開通時の新宿追分駅はこの新宿通りと明治通りが交差する「新宿3丁目交差点」の道路上か、またはその南側、写真では手前の道路上に位置していたとされています。

709-2 新宿3丁目交差点 27.5..jpg

 

「新宿3丁目交差点」を反対の方向から、明治通りの伊勢丹側から甲州街道方向を望んでいます。この路面上に大正時代、2軸の木造単車の京王電車が到来、新宿追分駅が開業したと思うと、何か不思議な、感動的ともいえる感慨を覚えます。

では何故この位置に京王が最初の新宿駅、新宿追分駅を設置したかといえば、当時の新宿の中心は現在の新宿御苑の北側一帯であり、その中心地を目指したためと、トラベルMOOK『京王電鉄の世界』内の「京王電鉄100年の歩み」は伝えています。(注3)


新宿追分は既に当時の東京市街鉄道として開通していた東京市電の要衝でもあり、ここで東京市電との乗り換え、接続を可能にするという大義があったことは十二分に推測できます。

現在の京王の軌間が、路面電車と同じ1372mmであることが、今日にその名残りを伝えています。

『京王電鉄50年史』は、京王と東京市電の乗り入れ事実などについての記述はありませんが、トラブルMOOK『京王電鉄の世界』では、京王と東京市電との間に連絡線があり、旅客の直通輸送こそ行われなかったものの、多摩川で採取された砂利輸送を行っていたと記しています。(注3)

因みに現在の伊勢丹デパートは、もともとは東京市電の新宿車庫があった場所で、戦後車庫が移転した跡地に建設されたものです。


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こちらは現在の明治通りと甲州街道が交差する「新宿4丁目交差点」です。

当時の京王電車は写真の左奥手、国鉄新宿駅をオーバークロスする跨線橋を下りてきてこの付近で左折(写真では右折)して新宿追分へと向かいました。


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上の写真は、現在のJR新宿駅南口付近から、甲州街道の坂道の下り方面、LUMINE1(ルミネ1)方向を見ています。


太平洋戦争の末期、1945(昭和20)年5月、京王は空襲による変電所被災で電力不足となり、電車はこの国鉄新宿駅を跨ぐ急勾配を上れなくなりました。やむなく昭和20年7月、新宿駅の位置を笹塚方面から左折(写真では右折)して、跨線橋を上る必要のない現在の新宿西口へと移転したのです。


記念券が発売された折角の機会ですから、用意された地図を見ながら、初代新宿追分、昭和2年に近隣の京王ビルディングに移転した新宿追分駅跡などの変遷の地を巡り、また京王電車が電圧低下で急勾配を上がることが出来ず現在の新宿西口に移転するきっかけとなった甲州街道の跨線橋あたりを散策し、先人や開通時代に思いを馳せることは、京王電車ファンにとって意義のある、楽しい時間になりそうです。

なおトラベルMOOK『京王電鉄の世界』には、鉄道ライターの松本典久氏による「京王電鉄100年の歩み」が記載されています。新宿追分に関する記述はもちろんのこと、甲州街道上で当時の国鉄新宿駅を跨ぐ跨線鉄橋を京王が独自に架設したことなど、過去から現在に至る新宿駅に関する多くの内容が丁寧に紹介されており、大変参考になります。出動の際には、ぜひ事前に一読されることをお勧めします。


(注1)新宿追分駅の開通(開業)日については5月30日と31日とする両方の文献が存在します。ここでは記念券の表記に習い、5月31日としました。


(注2)『京王電鉄50年史』京王電鉄 平成10年12月刊行

      「京王線の開業」(P44)


(注3)トラベルMOOK『京王電鉄の世界』 平成25年11月刊行

      松本典久「京王電鉄100年の歩み」(P59・62・65)


記念券関係は5月31日、その他は5月25日に撮影したものです。


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