2015年08月27日

No727 京王次期ダイヤ改正 早朝・深夜 都営線接続強化 準特急停車駅見直し


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   ▽ ダイヤ改正を伝える京王ホームページと27日付け日経新聞 ▽

京王は26日(水)、次期ダイヤ改正を9月25日(金)実施、合わせて井の頭線も改正と発表しました。

内容は従前から公表されていたように「都心方面へのアクセス強化」に加え、早朝は列車運転開始時間の繰り上げ、深夜時間帯では繰り下げ、さらに準特急や区間急行の停車駅を新たに加えるなど、大幅な改正となっています。
その内容について、幾つか触れてみたいと思います。

(参考)京王がホームページで公表したダイヤ改正内容
 
【準特急の笹塚・千歳烏山停車】
727-2 ダイヤ改正パンフ 27.8.27.jpg
 
準特急の笹塚・千歳烏山停車は、所要時間は増加しますが「都心方面へのアクセス強化」という大義で乗り切る一方、烏山利用客増加等への対処をうまく組み合わせた方策と考えられます。烏山停車は、将来の笹塚−仙川高架化時の緩急接続なども視野に入れた施策とも見られます。
特急笹塚停車の扱いも考えられましたが、さすがに特急と準特急は差別化し、今後の有料特急新設の動向もこれありで、特急の最速価値を維持させたものと考えられます。
京王八王子発準特急の復活、相模原線に準特急新登場ということになります。
 
【区間急行の仙川停車】
この発表により、まずは区間急行という種別が踏襲されることが判明しました。
仙川停車は、長年にわたる優等列車停車要望の声に応えた形ですが、急行ではなく区間急行でした。両者の運転時間帯の割り振りは全体時刻の公表を待つしかありませんが、京王としては現状では区間急行停車が限界のサービス向上ということでしょうか。
 
【笹塚接続、都営線直通アクセスに関して】
笹塚駅での準特急と笹塚発都営線急行が接続する利便性は、乗り換え回数と所要時間短縮を生み出し、速達性に大きな威力を発揮します。
また都営線直通はこれまでの区間急行に加え、京王線新宿発着の快速も都営線直通に振り向けられ、本数が倍増されます。
平日20時過ぎには、高尾山口行き快速も都営線からの直通となります。
日中時間帯、これまで直通列車は都営線内は急行でしたが、改正では各停となり俊足性はそがれますが、全体として直通利便性の恩恵を多くの利用客が受けられるよう設計されたと思います。
 
さらに18時〜20時ころにかけて1時間当たり3本の笹塚止まりの下り各停が八幡山まで延長運転されるという事で、後続の特急に明大前で乗車可能となります。これまでは笹塚駅で通過する特急を見送っていたのですが、このケースでは明大前に先行し、この特急に乗れるという事でしたら、帰宅通勤者にとっては乗り換え回数半減、時間短縮も加わり、大きな福音となるはずです。
もしかしたら都営線直通通勤・通学者にとっては、これが一番の変化と捉えるかもしれません。
 
【早朝・深夜時間帯の拡充・強化】
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       ▽ 「早朝特急」 運転時間表 ▽  
 
平日・土休日共通で、京王八王子、京王多摩センター、橋本駅の始発時間をこれまでより11分〜32分も繰り上げ、京王八王子発4時42分、新宿着午前5時21分の「早朝特急」を新設するのを始め、特急3本、準特急2本、合計5本の優等列車が増発されます。
 
また新宿発の最終列車も行先別に4分〜21分繰り下げられます。
京王八王子行き最終特急は現在午前0時12分発で高幡不動から先は各停運転ですが、これが21分繰り下げられて0時33分発となり、かつ京王八王子まで特急運転となります。
早朝・深夜とも、JR中央線を強く意識した改正と見られます。とくに朝1番の早朝特急はJR中央線の八王子発1番列車より7分遅く発車、かつ新宿には2分早着するという俊足となっています。
 
【高尾線に6両編成各停登場】
平日日中時間帯の高尾線系統で、各停高尾山口行きの一部が高幡不動行きに変更され、高幡不動からは6両編成の高尾山口行き各停に接続すると、予想外の発表もありました。
高幡不動−高尾山口間の6両編成各停の運転は、平成23年の東日本大震災による政府の電力削減要請に連動して運転された経緯があります。
 
727-5 7202F+7423F 北野−京王片倉 23.7.3.jpg
  ▽ 東日本大震災"電力削減" 時の高尾線6両編成運転
  このような運転が再現  7202F+7423F  京王片倉  23.7.3 ▽
 
趣味的にみますと、7000系6連や7000系4+2連が運用されると考えられ、今から楽しみです。
また上り列車は高幡不動5番線に到着。その後渡り線で下り本線に転線して一旦停車、さらに下り線を逆進して下り2番線に転線するという、まるでJR機関車の"機回し"のような光景が再現される可能性もあります。
 
【平日朝8時台特急運転開始時間の繰り上げ】
現在は京王八王子発8時31分ですが、10分繰り上げされて8時21分発となります。
これを可能とする仕掛けとして、同時間帯の各停列車の見直し等が行われる可能性もあります。
 
【路線図】
4727-4 ダイヤ改正パンフ 27.8.27.jpg
 
ダイヤの改正内容と合わせて新路線図も公表されました。
笹塚、千歳烏山は準特急が、仙川は区間急行の停車が追加されています。
また種別のラインカラーを見ると、京王八王子と橋本にも新たに準特急のオレンジラインが新設されており、準特急京王八王子行の復活、準特急橋本行きの新設を裏付けています。また特急のラインも入っていますので、特急京王八王子行、橋本行きも運転されることが分かります。
 
一方高尾線内を走る急行は、引き続き主要駅のみの停車となっており、上位の準特急が全ての駅に到着、急行は主要駅停車という逆転現象は継続されています。
さらに競馬場線では、競馬開催時に上り急行運転と注意書きがあります。"競馬急行" は存続といえそうです。京王線快速の都営線振り向けにより、行先が新線新宿から再び京王線新宿に改められる可能性も考えられます。
 
このほか井の頭線でも、京王線の改正に合わせ、早朝・深夜時間帯を中心に京王線との接続を考慮したダイヤ改正を行うと公表されました。
以上が26日に公表された次期ダイヤ改正の概要です。
 
【全貌が分かりにくい説明】
今回の改正は都営線への直通や接続に大幅な変更があり、また準特急の停車駅追加や早朝・深夜時間帯の拡充・強化も相まって大規模なものになっています。
 
ホームページでは丁寧に多くの説明がなされていますが、現行ダイヤとの変更点や新設を中心とした記述となっているため、利用者からするとダイヤの全体像がやや掴みにくい内容となっています。
全ての内容がすでに決定しているのですから、京王・高尾・相模原の3系統ごとの朝や夜間のラッシュ時はどのような運行パターンになるのか、特急や準特急は時間帯や系統別にどのように運転されるのかなど、利用者の関心事や利用者の最大利用時間帯についての基本的情報、面的な情報についても提供すべきでした。
それらと変更・新設情報が相まって初めて全貌が把握できます。
 
また改正の2大柱とも言うべき早朝・深夜の強化についても、高尾線関係については説明表やコメントが用意されず、不親切な対応でした。
高尾線利用者が早朝・深夜の新設列車との接続に感心を抱くのは当然であり、この当たり前の関心には丁寧に応えて欲しいと思います。
 
このほか公表された内容の「その他」項目では、記載以外の列車にも発着時刻、行先などの変更を行うと記されています。
早朝・深夜などの運転時間の拡大は、経営資源の再配分という形で全体調整=別の時間帯などで列車の一部削減などのサービス低下に繋がる事例が発生する可能性もあります。前回平成25年2月改定では、深夜時間帯まで下り特急が新設されましたが、一方で22時台以降の特急がそれまでの10分間隔から12分間隔となりました。この時の事前広報では、この内容は触れられていませんでした。
こうした事例については、来月中旬以降の詳細時刻公表まで待たないと判明しません。
 
繰り返しになりますが、今回の改正は都営線直通や接続見直し、準特急や区間急行の停車駅追加などを伴なう大幅な改正となるため、京王ニュース9月号でのさらなる丁寧な説明はもとより、各駅でも利用者に対し必要な個別情報についての十分な説明がなされることに期待したいと思います。
 
なおこれまで京王は、一般的にいうダイヤ改正を「ダイヤ改定」としてきましたが、今回のホームページでは「ダイヤ改正」と呼称しましたので、本稿でもそれに習い「ダイヤ改正」と表記しました。
 
ところで8月27日付け日本経済新聞朝刊の東京・首都圏経済面(35ページ)には、ダイヤ改正の内容を紹介する記事が掲載されました。
こちらの方は京王線や相模原線の深夜・早朝の列車充実による利便性強化を紹介した内容となっており、早朝の新幹線や航空機利用へのアクセス強化を改正の効果として挙げています。
都営線直通列車増や準特急の笹塚停車による都心方面のアクセス強化には一言も触れておらず、経済紙としては沿線と対新宿とのアクセス強化をポイントと見たようです。
 
 
posted by 特急高尾号 at 23:58| Comment(8) | TrackBack(0) | ダイヤ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月22日

No726 調布花火大会 特急臨時停車 臨時快速運転


調布市花火大会がことしも22日の土曜日、沿線の多摩川沿いで開催されました。
猛暑でしたが快晴に恵まれたこの日、京王は相模原線を中心に臨時ダイヤを実施しました。

726-1 花火大会広報ポスター  27.8.jpg

主な内容は
@花火大会の最寄り駅となる京王多摩川駅に上下特急が臨時停車
A花火大会終了後に臨時快速列車を6本運転
➂15時〜21時台は相模原線を中心に通常列車の発着時間を一部変更
というものでした。

726-2 特急の臨時停車 京王多摩川 27.8.22.jpg

726-3 特急の臨時停車 京王多摩川 27.8.22.jpg
 ▽ 特急が臨時停車 利用客で混雑する京王多摩川  27.8.22 ▽

このうち京王多摩川駅の特急臨時停車は、上りが15:57〜21:18まで、下りが15:48〜21:48の間の計36本の列車で行われました。
下り特急が到着すると、ホームにどっと降車客が降り立ち、大変な混雑でした。

726-5 京王多摩川駅 上り臨時時刻表 27.8.22.jpg
  ▽ 京王多摩川駅 上りの臨時ダイヤ
    赤は特急の臨時停車 20時台の「つ」表示が臨時快速 ▽

726-6 京王多摩川駅 下り臨時時刻表 27.8.22.jpg
    ▽ 京王多摩川駅 下りの臨時ダイヤ
  赤は特急の臨時停車 20・21時台の「セ」表示が臨時快速 ▽

臨時速列車は上りが京王稲田堤20:06発のつつじヶ丘行き快速が20分間隔で3本、下りはつつじヶ丘20:19発の京王多摩センター行き快速が20分間隔で3本、合計6本が運転されます。

この調布市花火大会の臨時ダイヤ、臨時列車の運転は毎年恒例となっています。
その内容を見ると、一昨年の平成25年は、上りつつじヶ丘行き快速が8本、下りつつじヶ丘発京王多摩センター行きの快速が7本、若葉台行きが1本、合わせて16本が運転されました。
また橋本発新宿行き上り特急が通常ダイヤの後、22時台に2本増発されました。

ところが昨26年は京王稲田堤発つつじヶ丘行き上り快速、つつじヶ丘発京王多摩センター行き下り快速が各4本ずつ、計8本のみの運転と大幅に減少しました。

726-4 特急の臨時停車 京王多摩川 27.8.22.jpg

そして今年はさらに縮小されて、京王稲田堤−つつじヶ丘間で上下各3本、計6本の快速のみの運転となりました。
特急の京王多摩川臨時停車も減少されています。
調布市花火大会の臨時列車運転は、年々規模が縮小されていると言えます。
(8月22日 午後6時 記す)

[参考]


posted by 特急高尾号 at 19:20| Comment(6) | TrackBack(0) | ダイヤ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月18日

No725 平成27年京王線次期ダイヤ改定 〜焦点と課題〜


725-1 京王線特急 .jpg

京王はこの秋、京王線のダイヤ改定を行うと、かねてよりホームページ、京王ニュース等で公表しています。
秋といえば、通常は9月〜11月だと思います。すでに8月中旬ですので、早ければ来月、遅くとも3ヶ月後の11月末までにはダイヤ改定が行われると言うことになります。

そこで今回は次期ダイヤ改定に関する話題、焦点や課題について、利用者、及び京王電車ファンの立場でまとめてみました。

【改定時期はいつか−】
京王はダイヤ改定や修正の場合、通常は前月の京王ニュースに予告記事を掲載します。
8月1日発行の京王ニュースでは、ダイヤ改定に関する記事は見られませんでした。そうした観点から推測すると、次の京王ニュース発刊は9月1日ですので、9月上〜中旬実施では周知期間が短すぎ、この時期での改定はないと考える方が自然です。

しかし、9月下旬から10月上旬実施ということも無きにしも非ずです。その場合は京王ニュースに先行して8月下旬ころにホームページや車内吊り広告等でまず周知を開始し、次いで9月1日発行の京王ニュース9月号で周知という事が考えられます。
ことし2月27日実施の井の頭線ダイヤ改定では、まさにこのケースでした。

改定内容はすでに完成していると考えられますので、関係機関や労働組合などへの説明・協議などが終了すれば、実施日や内容などがほどなく公表されると思います。
駅係員に尋ねると、現段階では9月、または10月ころの実施ではないかという声が最も多く返ってきます。

【改定内容の骨子は−】
ファンとしては実施時期に加え、改定の中身が気になるところです。
昨年夏の鉄道雑誌(注1)による鉄道本部長の "特急続行運転検討発言" 以来、ネット上ではこの問題が最大の関心事となり、この一年、様々な意見が飛び交っていました。

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  ▽「都心方面へのアクセス向上」と説明した
             京王ニュース27年6月号記事 ▽

ところが京王ニュース27年6月号に初めて改定骨子が「都心方面へのアクセス向上」と具体的に伝えられるや否や、株主総会で公開されたと伝えらる笹塚駅での特急停車光景の映像を根拠に(私は見ていませんが)特急の笹塚停車、それに笹塚での準特急と都営線内急行との接続など、「都心方面へのアクセス向上」の具体案について、再びネット上では論議や意見が飛び交っていました。

全体を俯瞰すれば、今回のダイヤ改定は前回25年2月の大改定内容をベースに、新たに経営課題として加えた「都心方面へのアクセス向上」機能を付加してさらに充実・強化を図り、かつ前回改定の必要な手直しも織り込んだものになると考えられます。

【どのような見直しが行われるか−
〇特急の続行運転
725-2 特急系列車の続行運転 26.7.26.jpg
 ▽ 特急系列車続行運転の成り行きに注目  明大前  26.7 ▽

"特急続行運転検討" の鉄道本部長発言は、前回改定の一部手直しを必要とする事案の一つとして検討を指示したものと推測されます。しかし具体的にどのような視点で何を検討すべきかについては記事では触れていません。
さらに本部長は記事内で、「ダイヤを改定すると、好評と不評が出ます。不評の部分は手直しする必要がありますが、現在のダイヤは全般的にはたいへんご好評をいただいています」とも述べており、この問題の京王の取り組み姿勢は微妙とも読み取れます。

725-13 特急通過のつつじヶ丘  27.1.jpg
    ▽ 特急が続行で通過するつつじヶ丘駅 27.1 ▽ 

実際に特急の続行運転に関し、お客様や踏切利用の沿線住民から多数の不満の声が寄せられているのであれば、何らかの対処はあるかもしれません。しかし前回改定の目玉とも言うべき橋本特急を廃止してまでも対応するといった極端な変更はないと考えます。

むしろネット上ではその議論の延長で、高尾山口行き特急や準特急の急行化、それに合わせて都営線直通急行を相模原線から高尾線系統に変更するのではないかとの意見が取り沙汰されていました。この件に関しては都営交通との協定や協議も必要と思いますが、実際にそうした内容が行われるのであれば利用者にとっては影響大であり、成り行きが注目されます。

〇「都心方面へのアクセス向上」について
725-4 笹塚 27.7.jpg
  ▽ 笹塚駅を通過する上り特急列車 
        優等列車の笹塚停車が焦点  27.7 ▽

次いで京王ニュース6月号で示された「都心方面へのアクセス向上」については、具体的に特急・準特急などの笹塚停車を意味するのか、あるいは都営線への直通列車を増大させて対処するのか、その場合に現行の直通優等列車を相模原線系統から高尾線系統に変更するのかなど、ファンならずとも利用客にとっては大きな焦点となります。

725-18 笹塚 27.8.jpg
    ▽ 京王線から新線・都営線へ直通する京王編成 笹塚27.8 ▽

これについても鉄道本部長は記事内で、「都営新宿線との相互直通運転については、今後強化していきたいと考えております」と述べており、ある意味すでに方向性を示していますが、あえて言えば「相模原線」からの直通運転強化と、相模原線を特定しての発言とはなっていません。

このあたりが微妙なところですが、「都心方面へのアクセス向上」が次期改定の骨格だとすれば、朝ラッシュ時に本線系からの優等列車の一部都営線乗り入れ開始はもとより、京王・相模原両線からの都心直通、都営線利用に対する乗り換え・接続の利便性向上、所要時間の短縮化などへの期待も膨らみます。

平日・土休日とも、調布以遠の京王線からの都営線直通利用客は、特急で明大前乗り換えで6分後の各停を待ち、さらに笹塚で再び都営線に乗り換えるという、煩雑な乗り換えと長い時間を強いられ、"相互乗り入れ" の看板が泣く実態となっています。
"相互乗り入れ" という経営資源を最大限に活かすには、 直通ならずとも京王線優等列車の笹塚停車、都営線の接続発車の実現ということに尽きますが、それではますます特急の停車駅と所要時間の増大という事態にもつながり…、さてどうなりますことやら。

また夜間、都営線から京王線系統への直通優等列車の時間繰り下げについても、利用者の根強い要望があると考えられます。

〇朝ラッシュ時 新宿到達時間の改善
725-5 新宿.jpg
           ▽ ラッシュ時の新宿駅 
                      1分でも早い到着が利用客の願い  25.2 ▽

一般利用者にとってはいつのダイヤ改定でも、朝ラッシュ時の新宿駅への到達時間の短縮が最大の願いだと思いますが、実態はなかば諦めの心境だと思います。朝ラッシュ時の改善は、もはや笹塚−仙川間の高架化の完成を待つしかないというのが、京王と利用者間の "暗黙の了解" となっている感すらあります。

ところが今年2月の井の頭線ダイヤ改定で、これまでには見られない取り組みが行われました。(注2)
朝ピーク時の輸送体系を午前6時・7時台に前倒して急行を増発、速達サービスを実現する一方で7時・8時台は各停の運転本数を削減、上り列車全体の運転本数を減らしました。全体のバランスを取りながら円滑な急行運転と、渋谷方での珠数つなぎによる列車遅延の改善を図ったものと推測できます。
また同時に行われた京王線のダイヤ一部変更でも、朝ラッシュ時の上り各停を2本削減しています。
これまでの増発を基本とするダイ改定方針から見れば、この事例はまさにこれまでには見られない方針転換、構造改革でした。

725-7 明大前.jpg
    ▽ 京王線朝のラッシュ時
          上り列車は限界に近い1時間30本運転   明大前  25.3 ▽

今回の京王線ダイヤ改定のもう一つの注目点は、井の頭線ダイヤ改定で実施したこのピークカット施策を、すでに "早朝準特" で一部実施している京王線で、列車本数の削減も含めてさらに推進するかという点です。

私は8時台に京王、井の頭両線に乗車していますが、2月のダイヤ改定・一部変更以降、私の乗車する時間帯では定時運転化が促進されました。京王線では場合によっては、明大前駅に早着することすら見受けられます。両線とも明大前を始め緩急接続や急行停車駅などで停車時間を長めにとるようになり、駅間での走行は依然より円滑になったと感じています。

【前回改定内容の定着化は−】
平成25年2月実施の前回改定内容の定着化という点では、列車種別「区間急行」の呼称やありようの問題があると思います。戦後の一時期もこうした呼称があったようですが、利用者にとっては「急行」があったり「区間急行」があったりで分かりにくいかもしれません。
同じ京王新宿行きでも時間帯によって「急行」や「区間急行」の2種類があったり、区間急行でも京王線新宿行きや新線新宿行きがあったり、さらにこれらが混在している時間帯もあり、利用者にとっては複雑・煩雑な種別・行先となっています。

725-8-2 明大前時刻表 .jpg

725-9 明大前時刻表.jpg
▽ 時刻表の新線新宿行き「シン」表示に対し様々な付加表示
  凡例にはA・B・Cや、区間急行・急行などがあり複雑 ▽

また都営線直通列車は、京王線内と都営線内で新宿を基軸に、列車種別が変更されます。
それに伴い、ホーム時刻表にはご覧のような複雑な凡例が記されており、初めて見る人は目を回すかもしれません。

725-10 路線図.jpg 
  ▽ 高尾線 オレンジが準特急、緑が急行。停車駅が逆転 ▽

さらに高尾線内では準特急が全ての各駅に停車するようになりました。一方で下位の急行停車駅は主要駅停車のままとされたため、上位の準特急と下位の急行の停車駅が逆転するという珍しい現象が起きています。
この点についても継続か否かの動向が注目されます。

【所要時間改善 緩急接続など】
〇京王線の速達化
平成17年のJR福知山線の尼崎脱線事故以来、各鉄道事業者は安全運転に徹するため、ある意味スピードアップは犠牲にしつつダイヤを構成しているように見受けられます。

京王においても同様で、かつて5000系時代、新宿−京王八王子間特急36分運転も行われていましたが、現在は緩急接続に加えて特急の停車駅増もあり、概ね40〜42分程度の運転が中心となっています。
下り列車の緩急接続は円滑に行われますが、上り優等列車の接続停車や時間調整のための停車時間は長く、これに加えて後述する京王線と井の頭線の接続時間の増加もあり、新宿・渋谷方面への所要時間増が課題です。

〇上り京王線→井の頭線の接続ほか
前回改定後、平日の日中時間帯、明大前駅での京王線上り優等列車と井の頭線上り急行との接続は極端に悪く、日常的に7〜8分程度の待ち時間が発生します。

725-11 井の頭線明大前 27.8.jpg
 ▽ 改善が求められる京王線上り優等列車から
   井の頭線上り急行への接続 明大前上りホーム  27.8 ▽

また京王線続行特急2本分と、その前後の列車の利用客もここで結果的に集約されるため、狭隘のホームはいつも人で溢れ、列車も混雑します。
7〜8分という時間は急行では渋谷まで到着する時間です。京王線上り優等→井の頭線上り各停への接続はさらに待ち時間が増えます。利用客は「どうしてこんなに待つようになったのだろう」と内心不満を募らせていると思います。
また井の頭線明大前駅は上下ともホームの行先案内表示が一か所しかなく、これもイライラを募らせる大きな原因となっています。

調布駅では下り橋本行き特急がホームに進入している最中に、いつも反対側ホームの快速高尾山口行きのドアが閉まりるタイミングとなり、両列車がホームで並走します。この様子が車内からよく見えるため、西調布−東府中間の各駅利用者は毎回辛酸をなめていることと思います。

北野駅での上り緩急接続は、特急が各停の到着を待つために約3分程度停車します。高尾線、京王線双方のダイヤ構成上のネックなのだと思いますが、利用者からすると新宿への速達性などお構いなしとされているような時間が消費されます。

日中の上り特急は、新宿駅まで目前にしながら明大前駅で、1分程度の時間調整の停車となります。

様々な要件があり、あちらを立てればこちらが立たずがダイヤだと承知するのですが、こうした事例が次期改定で少しでも改善されることを願います。

【イレギュラー運用の動向
京王線には、定常的な運転形態とは異なる、以下の列車が運転されています。
@競馬開催時に運転される府中競馬正門前発新線新宿行きの上り直通臨時急行
Aダービーなどのビッグレース開催時に運転される府中競馬正門前発飛田給行き臨時急行
➂調布市花火大会終了時に運転される相模原線内−つつじヶ丘間相互の臨時快速
C味の素スタジアムで開催されるコンサート等の終了時に運転される新宿行き臨時特急
➄多客時の高尾山口発北野行き臨時急行

これらの列車は運転時の広報もケースバイケースとなっており、中には当該列車の停車駅のみで案内というケースも見受けられます。
またダイヤ改定による列車の増減、廃止などは広報されない可能性も大きく、動向に注視が必要です。

【競馬場線の終電時間】
競馬場線府中競馬正門前駅の1日の平均乗降客数は、2014(平成26)年実績で平均3,160人となっています。これは京王全69駅中、最低の数値です。
そのため競馬場線は、競馬が行われる日以外は終日2両編成の電車が行ったり来たりする、京王の超閑散路線です。

725-12 競馬場線  26.10.jpg
   ▽ 19時前ですでに閑散とした府中競馬正門前駅
              22時前には終電となる  26.10 ▽

そのためでしょうか。
競馬場線府中競馬正門前発東府中方面への始発は平日が6時26分、休日が6時29分。
東府中発府中競馬正門前行き最終は平日、休日とも21時58分となっています。

利用者がいないからか、あるいは列車が運転されていないから利用出来ないのかは定かではありませんが、いずれにしても都内路線で始発が6時半近く、終電が22時前というのは、大手私鉄としてはいささか遅い開店、早い店じまかもしれません。
本線系と比較して運転時間が1日約4時間も短いのですが、終電繰り下げなどのサービス強化が行われている本線系と比較し、少々サービスが不足しているかもしれません。
ちなみに動物園線は、平日、土休日とも、朝5時台から23時台まで運行されています。

【ダイヤ改定内容の伝え方について】
次期改定で特に期待したいことは、利用客に対する改定内容の伝え方です。
これまで我が国の鉄道事業者は、ダイヤ改定の際は利便性向上に関する点だけを強調し、削減や不便になる点、列車種別の変更理由などに関しては広報しない風潮でした。

京王も同様で、ことし2月に行われた井の頭線ダイヤ改定では、朝と夜間の急行新設や増発、最終列車の繰り下げ、土休日の急行運転拡大による速達性の向上などの利便性向上については広報したものの、それと引き換えとなる朝ラッシュ時の各停削減などについては触れませんでした。
朝ラッシュ時間帯のピーク平準化のために6時・7時台に急行を新設、一方でピーク時の一部各停を削減しつつ全体の速達性保や混雑の平準化を目指すという大改定でしたが、その大義や方向性、効果などを利用者に説明しなかった点は惜しまれます。

ところがこの春の首都圏のJRダイヤ改正では、これまでにない変化が起きました。
増発や利便性向上と合わせ、一方で輸送実態に応じて一部列車の削減や他線への乗り入れを取り止めるなどの省力化を行いましたが、それらの内容を事前にパンフレットやプレスを通じて利用客に明確に説明しました。
いわばニーズのある部分については利便性を高め、一方で利用実態の少ない部分は効率化も合わせて行うという新しい動向でしたが、 その中身を包み隠さず、企業としての考えを正面から説明したものでした。

京王の次期改定ではこうした事例も参考に、まずは改定の大義や方向性、目的を明確にした上で、具体的な内容と効果、さらに一部で種別や行先変更、列車の削減なども伴うようであれば、その理由や影響なども含めて丁寧に説明して欲しいと思います。

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 ▽ ことし2月 京王線ダイヤ一部見直しの際の高尾駅の掲示
   高尾線の一部駅では、個別に変更内容の詳細が説明された ▽

さらに改定内容による影響、支線・他社線やバス接続などについては各駅ごとに事情が異なるため、ダイヤ改定の概要広報や駅での時刻表掲示だけでなく、各駅ごとの留意点などをホームページやポスターなどで丁寧に説明するなど、利用者の立場、目線に立った多様な情報の提供にも期待したいと思います。

ことし2月の京王線ダイヤ一部見直しの際、高尾線内の一部駅では朝ラッシュ時の時刻変更対象列車について、改定前後での比較情報が提示され好感を持ちました。
全ての食品や商品には原材料や注意事項が明記されているように、鉄道においてもダイヤ改定の際には丁寧な説明があって然るべきです。

【より便利な機能性の高いダイヤを期待−】
725-15 京王線 府中 25.2.jpg

前回25年2月の改定は、橋本特急の復活や特急の続行運転、平日・土休日も含めた最終列車時間の大幅繰り下げなど、その内容はある意味京王の名を高める大改定でした。
次期改定はそれから僅か2年半で再び実施ということですから、利用客に対するさらなる利便性向上とは別に、当然のこととして企業としての営業戦略もあるはずです。

そのひとつが前回改定では手が付けられなかった、「都心方面へのアクセス向上」です。リニア新幹線橋本停車なども視野に入れつつ、都営線へ直通する新線の積極活用と、丸の内線や銀座線へ流動する都心方向利用客の誘導と都心直結イメージ強化への足掛かりと位置付けているのかもしれません。
朝ラッシュ時、京王線からの直通列車を仮に新設できれば、京王線新宿への列車設定の分散化が可能となり、京王線新宿への到達所要時間の短縮化も期待できるのですが…。

また2011(平成23)年導入のATCも安定運用期に入り、その性能・成果をより反映したダイヤ設定も考えられます。いわゆる閉塞区間や速度設定の見直し・最適化を推進し、安全運行確保と同時に朝ラッシュ時の円滑運転にその威力を発揮して欲しいと思います。
さらに近い将来、京王線有料特急運転や観光施策強化の高尾山に向けた行楽客輸送に対する強化対応策なども視野に入れていると考えられます。

いずれにしても、新ダイヤの内容はまもなく公表され、その背景にある企業戦略も見えてくることと思います。
利用者にとっては現行ダイヤにさらに磨きがかかり、都心方面への利便性向上、京王・高尾・相模原3線のニーズ確保、そして少しでも朝ラッシュ時の円滑運転に向けた改善の実現など、より便利で、かつ機能性の高いダイヤの実現に期待したいと思います。

車両や現場要員などの限られた経営資源の中で、多様なニーズと経営戦略の実現をどのように「全体最適化」していくのか、今回の改定はその試金石でもあり、注目していきたいと思います。

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これはオマケですが、この秋に完成する高尾山口駅隣接の "京王温泉施設" オープンに合わせ、かつての行楽特急「高尾」号が、ヘッドマークを取り付けて復活すると楽しいですね。
それから新宿や都営線から直通のヘッドマーク付き「京王れーるランド号」などの運転も実現すれば、多様性の進展になりますね。新宿発の列車には「新TamazooTrain」の7201Fなどを使用すればメディアにも紹介され、また子どもたちも大喜び間違いなしです。

ヘッドマークの取り付けやイレギュラーな列車運用は手間暇がかかりますが、行楽地へ向けた列車へのプレミアム感の醸成は沿線付加価値や利用者の満足度向上にも貢献します。
その意味では、高尾山や京王レールランド・多摩動物公園に向けた開発余地は多様にあり、今後に期待したいと思います。

今月中旬、高尾山口駅脇ににオープンした八王子市の「TKAO599MUSEUM」などは、格好の素材でした。
ダイヤ改定とともに、付加価値やプレミアム感のある魅力的な列車開発などにも、今後挑戦のウィングを広げて欲しいと願っています。

(注1)
  鉄道ピクトリアル
   通巻893 2014年8月臨時増刊号
  「京王電鉄の鉄道事業を語る」(高橋鉄道本部長)
(注2)
  当ブログ 平成27年2月27日
  

posted by 特急高尾号 at 17:02| Comment(15) | TrackBack(0) | ダイヤ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月13日

No724 夏恒例「鉄道フェステバル」開催



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京王デパート新宿店7階特設会場で、夏恒例の「鉄道フェステバル」が13日から17日までの日程で始まりました。
初日の午前10時過ぎに訪れると、すでにご覧の賑わいで驚いてしまいました。

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会場は車両模型や各種物販、ジオラマ展示と体験運転が中心で、そちらに感心のある方にとっては大人も満足の内容です。

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まずは京王もので、懐かしいカットを題材としたクリアフォルダーを始め、3000系引退の際に発刊された記念MOOKも並んでいました。

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またホーム売店などで売られる京王グッズも盛りだくさんで、発売直後の9000系や電動貨車デワ600をデザインしたペットボトルカバーも見られました。

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中にはイミテーションですが、JRのこんな代物も。
権利処理を済ませた正規の商品だという事で、6万円台での販売でした。
京王も「迎光」や「高尾」・「陣馬」などのヘッドマークを、大人が書斎に飾れるような風格のある、かつ洒落たデザインケース入りで商品開発すればいいのになぁと、いつも思っていることです。

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ところで会場で、なんと「鉄道フェステバル記念券発券」と書かれた自動券売機を見つけました。『む、む、む。何だこれは』と近づくと、係りの方から無料で発券と説明を受けました。

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そこで券売機画面を操作すると、ご覧のような定期券大の記念券が出てきました。

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そして実際にこの記念券を、併設されている自動改札機に通す体験を楽しんでもらおうという仕掛けです。子どもたちは大喜びでした。

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このほか会場には5000系の往年の雄姿を捉えた写真、また他社へ転出して活躍する5000系の模型なども展示され、ファンを楽しませていました。

このフェステバルは京王デパートとしての物販がペースとなっているためか、車内吊り広告では周知されていますが、京王のホームページでは広報されていません。

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期間が短く17日までの開催ですが、他社線のグッズ物販や各種のエンターテインメント、イベントなども用意されています。また各地で働く5000系の精巧な模型は一見の価値があります。
お盆休みの余興としては納得です。

posted by 特急高尾号 at 12:31| Comment(2) | TrackBack(0) | アラカルト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月04日

No723 8000系大規模改修第5陣8011F登場



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  ▽ 8000系大規模改修第5陣 貫通・客室化され登場した
                      8511(左)+8561  27.8.4 ▽
                    
8000系6+4編成の大規模改修第5陣の8011Fがこのほど完成し、8月上旬から営業運転を開始しました。
大規模改修は、4号車の中間先頭車クハ8700形と5号車の中間先頭車クハ8750形の運転室を撤去して客室化、及び10両貫通化、さらに1〜10号車の全車両の車内を大リニューアルするものです。

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 ▽ 大改修され登場した8011F 京王多摩センター 27.8.4 ▽

今回は4号車クハ8811の運転室が撤去されてサハ8561に、5号車クハ8761の運転室が撤去されてサハ8511に改番されました。実際の改番は平成23年8月、対象の14編成すべてに対して一括して実施済みとなっています。

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今回の大規模改修に合わせ、車号プレートは先の4編成同様、すでに改番されているサハの新車号のものに付け替えられました。

編成は下り方1号車から、これまでの改番事例に倣い、
8761+8261+8211+8561+8511+8161+8111+8061+8011+8711となっています。

サハ化された車両同士の連結面の外観処理は、これまでの編成と変わっていません。
このほか大規模改修に合わせ、下り方先頭車の8861が2代目8761に改番、8211が2代目8111に、8111が2代目8211に、それぞれ改番の上、組成位置が変更されています。(注1)

【リニューアルの車内】
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   ▽ 変更された吊り輪 直径が一回り大きい丸型に ▽

今回のリニューアルでは、なんと優先席も含めた全ての吊り輪形状が変更となりました。
第1陣8003F以来採用されてきた厚みのある新型の丸形吊り輪が廃止され、その後8006F・8009F・8010Fの付属編成の緑色吊り輪に変わって新採用されていた、白色のふつうの丸形吊り輪に変更されました。ただし従来のものより丸形の直径が一回り大きいものになっており、また吊り輪も枕木並行方向から線路並行方向に変更となっています。
双方を比較・検討の上での対処という事でしょうか。


そのほか、車内灯は前回の8005Fに引き続きLED化されています。
また内貼り・座席生地・床敷物の交換、妻面窓の廃止、新カーテン、扉開閉表示等とチャイム取り付け、側引戸の交換と複層ガラスの採用、車いす優先スペースの2→5か所への増設などは、これまでの改修仕様・設置内容を引き継いで実施されています。
また改修に合わせ、新火災対策基準に適合したリニューアルとなっています。(注2)

ところで最近の京王は、車内仕様の試験的取り組みを大規模改修の上り方先頭10号車で積極的に行っています。
前回の8005Fではクハ8705で4人掛けの優先席座席中央に手すりを設置、3回前の8013Fではクハ8713の車内吊り輪が大幅に増加されています。
今回の8011Fの上り方先頭クハ8711でもそうした新しい試みが行われるかが気がかりでしたが、今回は特段の取り組みは行われていません。

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  ▽ リニューアルされた8711号車内  27.8.4 ▽

8000系6+4編成の大規模改修は昨年3月の8003Fから早くも1年4カ月が経過しました。
これで8003F・8013F・8014F・8005F、今回の8011Fと続き、対象の14編成中すでに5編成が完了したことになります。

(注1)
  8011Fの改番については、以下記事の8003Fの事例を
  参考に記しました。
  〇鉄道ピクトリアル
   通巻893 平成26年8月臨時増刊号〜京王電鉄特集〜
   藤田吾郎「京王電鉄現有車両プロフィール2014」 P241〜247
(注2)
  〇鉄道ピクトリアル
   通巻896  平成26年10月臨時増刊号
   京王電鉄車両電気部「8000系10両貫通化工事・車体修理」
   P159

【改番等の確認について】
ところで大規模改修に際し、中間クハ2両のサハ化に加え、下り方1号車のクハ8750形式8850番台→2代目8750番台への改番、
デハ8000形式のうち、7号車8100番台・3号車8200番台の相互改番と組成位置変更(今回のケースでは3号車8211が7号車2代目8111に、7号車8111が3号車2代目8211に改番、組成位置変更)が行われています。

改修トップバッターの8003Fについては上記鉄道ピクトリアル平成26年8月臨時増刊号に改番と組成変更についての詳細記事・編成図が紹介されていますが、以降については鉄道誌の改番等のデータ記事には、サハ化のみの記述となっています。
下り方1号車のクハ8750形式8850番台→2代目8750番台への改番は実車のプレートを見れば一目瞭然ですし、8100・8200番台の改番、組成位置変更についても、改修時の実車に貼られた改番・組成位置変更表記の写真がネット上で流通しており確認の根拠となりえるのですが、これらについては改番した旨の記載がありません。

そうした中で、以後に鉄道ピクトリアルで公表された京王による8000系大規模改修の記事(注3)でも改番・組成位置変更等の内容が全く触れられませんでしたので、京王電車ファンのストレスが溜まっているものと思われます。

8000系大規模改修は、順調に進めば今年度末で半分の編成が完了する予定だと思います。
京王は過去の7000系VVVF化に伴う10両編成化の際に、詳細な改番・組成変更の紹介記事を鉄道ファン平成23年11月号に寄せています。(注4)
8000系大規模改修についても改めて京王から、ソフト・ハード両面にわたる改修の内容、そして改番・組成位置変更内容について、鉄道誌に紹介記事が寄せられることを期待したいと思います。

(注3)
  〇鉄道ピクトリアル 通巻896 平成26年10月臨時増刊号
   京王電鉄車両電気部「8000系10両貫通化工事・車体修理」
(注4)


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posted by 特急高尾号 at 22:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 車両 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする